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短い小説その3 「がんばったら」

 ちょこっと時間あったのでまた小説を書いてみました。下の音楽でも聞きながら読んでみてください。今回は残念ながら挿絵なしです 汗


              「がんばったら」

どんな小さな望みでもきっと
貴方の胸の内を照らすでしょう
包む闇が深いほどソレは
貴方の心で輝くのでしょう


「タッタッタッタッタッ・・・」

 真っ白い帽子を被った林道に小さい少女の姿、淡々と靴音だけが響く。周りには人の姿も見えない朝の時間。吐く息も白く、紅潮した頬と手を擦りながら一生懸命走っている。上下する体に合わせて一つに束ねた髪が左右に揺れる。その後ろから近づいてくる影が一つ。

「紗雪~っ、おはよっ!」

 楽々と紗雪に追いつき、ぽんっと肩に手を置く。全力で走る少女に余裕の表情で並走している。

「お、おはよ~っ、千夏ちゃん・・・」

 息も絶え絶えに千夏に話しかける。二人は全く正反対。体の小さな紗雪、大きな千夏。運動音痴の紗雪に運動神経抜群の千夏。引っ込み思案の紗雪に積極的な千夏・・・。そして、名前までも正反対の季節の二人は小さい頃からの幼馴染。再来月には二人とも晴れて中学生になる予定。でもその前に一大イベント、マラソン大会がある。学校の校庭から始まって町内を半周、女子は5km走ることになっている。体力の無い紗雪は陸上部の千夏と一緒に登校前、毎朝練習していた。

「相変わらず頑張ってるね。でもでも、道のりはまだまだ遠いぞぉ」

 にっこりと笑顔で抜き去る。さすが地区「小学校マラソン大会女子の部」の優勝者だ。これくらいは余裕といった感じ。一方、紗雪にとっては厳しい距離。大会まで後2週間、紗雪は不安でいっぱいだった。自分に走りきることができるのか・・・。去年、一昨年、いやいや、小学校4年生からある、この大会で一度もやり遂げたことがないのだ。元々体の弱い紗雪には荷が重いのかもしれないし、学校の先生は途中で歩いても良いよと言ってくれている。しかし、紗雪には思うところがあった。秘めたる思いを胸にしまいつつ学校に向かうのだった。


「ええっと、あの、その・・・。3/4ですか・・・っ?」

 紗雪はあたふたしながら答える。難しい算数の問題だった。必死に考えた答えも空しく響く。

「あーっ、惜しい、難しい問題だからなぁ。良い線いってるんだけど。それじゃぁ、隣の千夏。」

「4/5だと思います」

 ささっと席から立ち、黒板に解答を書いていく。先生もうんうんと頷いている。周りの生徒からも感嘆の声。千夏は運動だけでなく頭も良かった。チョークをコトっと置き、席に戻る。それを見つめる羨望の眼差しが一つ。

(千夏ちゃんみたいになりたい・・・。)

 紗雪は昔から千夏に憧れていた。自分には無いものをたくさん持っているからだ。勉強然り、運動然り、おしゃれ然り。一方自分に何があるんだろうと思い悩むこともある。運動駄目、勉強も駄目、容姿もイマイチ・・・。そんな中、紗雪は千夏にマラソンの練習をお願いした。一つでも自分の中で頑張ってものにしたい、少しでも千夏に近づきたいと思う少女の健気な気持ちだった。


「すごい、すごいよ紗雪ーっ、練習始めたころより走れるようになったじゃんっ」

 膝に手を付いて荒く呼吸を繰り返す横で、屈伸をしながらにこにことしている。しかし、今の地点は4km。後1kmが走れるかどうかが鍵になっていた。大会はいよいよ明日。紗雪は焦っていた。毎日少しずつ距離を延ばしていったとはいえ、結局目標の5kmを走れるまでには至らなかったのだ。そんな不安な思いを千夏にぶつけた。

「結局今年も最後まで走れないのかなぁ。私ってホントに何やっても出来ないな。千夏ちゃんが羨ましいよ・・・。」

 千夏は大きな伸びをしていたが、紗雪の言ったことを聞いてぴたっと止まった。

「えっ?何で?紗雪って自分で思ってるより大事なものをいっぱい持ってると思うよ?」

 千夏はそう言って、紗雪の頭をよしよしと撫でる。同年代だけど、なんかお姉ちゃんみたい・・・。

「千夏ちゃん・・・、お友達だからってお世辞はいいよぉ・・・。きっと、今年も出来ないんだろうなぁ」

 そういってがっくりとうな垂れる。その眼から悔しさからか、大粒の涙が頬を伝っている。その様子を見て千夏は優しく声をかける。

「お世辞なんかじゃないってば。どんな遠い道のりでもきっと、歩いてゆけば距離は縮まるし、諦めない心と今日の一歩が大切なんだよ。あはっ、言っててちょっと恥ずかしいけど。私は陸上部だし走れるのは当り前でしょ?紗雪は元々体弱いけど、ここまで頑張って走れるようになったじゃん。それってさー、すごいことだと思わない?最初から出来る時よりも、出来なかったことが出来るようになった時の方が私は素敵だと思うんだよね」

 最初、何を言われているのか紗雪は理解できなかった。自分のことがすごい?あの千夏ちゃんが私をそう言ってくれている・・・。少し戸惑っていたら千夏は更に話を続ける。

「頑張ったらいつかはって思う位が良いじゃん、むしろ、願うことをやめちゃった時が先に続かなくなっちゃうよ。仮に明日が駄目でもさ、後に続くことをしてるんじゃないかな・・・。うまく口で表現できないや、ごめんね・・・っ。でも、紗雪のホントの気持ちは勿論走りきることでしょ?今まで頑張ってきたんだ、きっと、きっとさ、出来るよ、紗雪なら」

 そういって、俯いたままささっと走って行ってしまった。なんか照れているのか、恥ずかしがっているのか・・・。いつも練習で走っている林道の雪も解けかけており、しばらくその場で紗雪は立ち尽くしていた。憧れていた千夏ちゃんが自分の頑張りを見ていてくれたこと、そしてそれをすごいと言ってくれたこと。何か心の中に込み上げてくる溢れる感情を抑えきれず、小さな女の子は泣き伏してしまった。そして、叶わないと思っていた夢をきっと叶えようと誓った。明日はいよいよマラソン大会。期待と不安が入り混じる中、紗雪は学校に向かったのでした・・・。


精一杯頑張っても
叶わない夢もあるって
大人ぶった台詞より
ホントの気持ちを聞きたいよ

                                    ~おしまい~
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短い小説その2 「clover」

 また文章書いてみました。下の音楽でも聴きながら読んでやっていただけるとうれしいです。



                 「Clover」

              弱くても怖くても
             守りたいものがある・・・
              君のためならほら
                強くなれるよ・・・

 みなさんの初恋は何時だったでしょうか。私は今でも忘れません。10歳の夏、クローバーの花が野原一面に咲いていたあの夏・・・。


 7月下旬、いよいよ楽しい夏休み。小学校のプール開きもあり私は毎日プールに行っていました。プールに一回行くたびにはんこを押してもらえるスタンプカード目当てだったのもあるけれど。いつものように水泳バッグに水着とバスタオル、水泳帽を入れて準備万端、スキップしながら学校に行きました。行く道の川沿いにクローバーの花が咲き乱れています。変わらない日常・・・、しかし事件は起きてしまったのです。

 「あ~っ、ひとはのお尻丸見えだ~っ!」
 クラスのガキ大将、けいたの声でした。私は一瞬はっとしてお尻を触ってみました。どうやらさっき転んだ拍子に水着が破けてしまったみたいです。
 「や~い、や~いっ、丸出し女~っ!」
 手を打って喜ぶ男子達。これ位の年齢の男の子は残酷でこんな小さなことでも話の種にして盛り上がるものです。当時、私は親しいお友達がいなかったので完全に孤立してしまいました。女子もひそひそ話をして助けてくれません。私は必死に破けてしまったところを抑えてうずくまるしかありませんでした。そのとき・・・。
 「やめろよ、ひとはちゃん嫌がってるじゃないか!」
 不意に私の前に両手を広げてかばってくれる男の子がいました。しょう君です。いつも教室の片隅で植物や昆虫の本を読んでいるもの静かな子です。私は一学期の頃に班が一緒だっただけであまり親しくもありませんでした。
 「うわ~、ひ弱虫なしょうがかばってるぞ~、こいつひとはのこと好きなんだろ~」
 またまた男性陣は大盛り上がりです。しょう君の顔は真っ赤です。でも私の手を引いて更衣室まで連れて行ってくれました。私の顔も真っ赤で、少し胸がドキドキしました。いつも静かでしゃべらないしょう君・・・。私のこと・・・。

 プールからの帰り道、二人は並んで歩いていました。しょう君はあまり背が大きくなくて、私と同じくらいです。口を利かず黙って歩いていました。相変わらず川沿いの土手にクローバーの花が揺れています。
「ひとはちゃん、こっち来て」
 急に私の手を取ってクローバーに向かいます。そこで一生懸命何かを探しているようでした。私がぼんやりとそんなしょう君を眺めているうちに、お目当てのものを見つけた様で、私のところに走ってきました。
「これ、ひとはちゃんにあげる」
 と言って私に三つ葉のクローバーを渡してくれました。でもこのクローバーは何か形が変です。
「一枚は僕が持ってるね」
 三つ葉と思っていたクローバーは四つ葉の内の一つの葉をちぎってあるものでした。なんでこんなものを渡すのだろうと私は首を傾げていました。そしてその葉の一枚を持っていった意味も・・・。

 楽しい夏休みも終わり二学期に入りました。始業式も終わり教室に入ると先生がしょう君の転校の話をしてくれました。両親の都合らしいのですが、夏休みの終わりに向こうの学校に移ってしまったとのことです。私はなんとも言えない切ない気持ちになりました。あの事件以来会って話をしたりしなかったからです。結局クローバーの謎も解けていません。
 私は気になって図書館に行きしょう君がよく読んでいた植物図鑑を広げました。クローバーについて調べてみようと思ったのです。
「クローバー:別名はシロツメクサ、三つ葉と四つ葉があり・・・」
 説明は続きます。
「葉にはそれぞれ意味があります。三つ葉は希望、信仰、愛情の印、四つ葉ではそれに幸福の葉が加わります、もともと四つ葉には真実の愛という意味があり・・・」


aaa.jpg


 あれから何年も経ち、別の人を好きになっているかもしれません。私のことを一生懸命守ってくれたしょう君・・・。精一杯に気持ちを伝えようとしてくれたしょう君・・・。たとえ二人の心がこれから一つになることがなくても、私はこのクローバーのようにほろ苦い初恋を決して忘れません。

             君に会えたから
           きっと素敵な夢を見る・・・
            世界が一つになるために
           未来を信じて、さぁ、瞳閉じて
                おやすみ・・・
                            ~おしまい~
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短い小説その1 「きっと明日は」

 初めて文章を書いてみました。国語力が無いのでいろいろおかしい部分もあると思いますが・・・。下の音楽を聴きながらでも読んでやってください・・・っ。



                 
               「きっと明日は」

           明日は新しい私に出会いたい
                勇気を下さい
              ほんの1グラムでも・・・

 「なによ!みなちゃんなんて大っ嫌い!!」
 そういってびしゃっと教室のドアを閉める。みんなが一瞬こっちを見たのでちょっと恥ずかしかった。なんでりなちゃんあんなに怒ったんだろう・・・。そういって私は机に頬杖を付いて考えていた。

 昨日二人で遊んだ。いつもどおり午後2時に駅前の公園に集合、その後私は図書館で本を読もうって言った。でも、動物園に行きたいみたいでがんと首を横に振った。こうなっちゃうともうりなちゃんのペース。私は渋々動物園に付いて行った。

 私とりなちゃんは小学校に入る前からのお友達。けんかなんて一回もしたことが無い。それもそのはず、いつも私がりなちゃんに全部譲っちゃうから・・・。どこに行くのも、何を買うのかも。でも、私はそれで良いと思っている。なぜなら私とりなちゃんはお友達だから。お友達なのだから私が譲るのが当然、りなちゃんもそれで喜んでくれるし・・・。

 でも今日は違っていた。なんだかりなちゃんはすごく怒っていた。また週末に遊ぼうという約束をしているところだった。りなちゃんは、
「いつも私が決めちゃってるから今度はみなちゃんが行くところ決めて」
 私はこの前は図書館に行きたかったけど、お目当ての本は読み終えちゃったし、特に行きたいところもない。りなちゃんに合わせようと思った。
「いいよ、私は。りなちゃんの行きたいところに行くよ?」
「いつもみなちゃんって私に合わせてくれるけど・・・」
「ううん、りなちゃん決めて、私たちお友達でしょ?私はりなちゃんに任せるよ」
 その台詞を聞いてりなちゃんは怪訝そうな顔をして言った。
「何?いつもみなちゃんは私に合わせてくれていただけなの?」
 そういいながらみるみる顔が真っ赤になっていく。すごく怒ってそう・・・。私にはその理由がわからない・・・。
「何よ!みなちゃんなんて大っ嫌い!」

 放課後の帰り道、私はりなちゃんが怒った意味がわからなかった。初めてのけんか・・・。いつも二人仲良く帰っていた帰り道・・・。涙が出てきた。鼻歌を歌って気を紛らわせようとした、そしてなんでりなちゃんが怒ったのか訳を必死に考えていた・・・。
 横を自分よりも小さい子供たちが駆けて行く、どうやらけんかしている様だ。お互いに相手の悪口を言い合っている。けんかなんてしたくないなと私は思っていた。でもしばらく様子を見ているうちに二人は仲直りをして私の前を行ってしまった。その時、私はりなちゃんが怒っていた意味がなんとなくわかった気がした。
「そうか!そうだよね・・・。けんかするから友達なんだよね!!」
 その答えがわかったときに私には笑顔が戻っていました。相変わらず頬は濡れたままだったけれど・・・。


kittoasitaha.jpg

 今まで相手に合わせていただけの私、それでりなちゃんとお友達だと思っていた私。素直な気持ちで相手に接することの大切さ・・・。これからはりなちゃんと本当のお友達になれるかな。そして明日りなちゃんに勇気を出して言おう・・・、「今までごめんね」って・・・。
 歩いていく少女の背中を優しい夕暮れが追いかけていきました。

           明日は新しい私に出会えそうで
               背伸びをしてみた
             ほんの1ミリだけど・・・
                                        
                          ~おしまい~

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プロフィール

小野 子一

Author:小野 子一
名前 小野 子一(おの こいち)
性別 超♂
属性 2次元ぷにっ娘属ボクっこ好き科
星座血液型 双子のプリンセス座、O型
趣味 絵を描く、パン焼く
好物 おとぎ銃士赤ずきん、出ましたっ!パワパフガールズZ、らき☆すた、ふしぎ星のふたご姫、おジャ魔女どれみ、びんちょうタン etc.
嫁  赤堤ももこ、シフォン、かがみん、みさきち etc.

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